【摂食障害の症状、原因、診断基準】どこからが病気?チェックリストと病院の探し方を紹介【拒食症と過食症】

過食嘔吐をやめたい
  • わたしって摂食障害?どこからが病気?
  • ダイエットと拒食症の違いは?
  • 食べ過ぎと過食症の違いは?

ひとりで不安を抱えていませんか?

摂食障害とは極端な食事制限食べ過ぎを繰り返すなど、「食べること」のコントロールができなくなる心の病気です。

拒食症過食症があります。

私は摂食障害になって15年目で現在も治療中です。
摂食障害は治療を始めるのが早いほど治りやすい病気です。
逆に言えば治療が遅れると治すのがとても大変になります。
早い段階で適切な治療を受けないと、私のように長期的に苦しむことになりかねません。

この記事は、「摂食障害になりかけの人、なったばかりの人に向けて、病気であることに気づき、早く治療に取り組んでほしい」という思いから発信をしています。

この記事では、摂食障害の概要から症状、原因、病気かどうかのチェック方法まで解説します。


この記事を読めば、「あなたが摂食障害かどうか」が分かります。
さっそく見ていきましょう。

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摂食障害とは「食べること」に問題がある心の病気

摂食障害は「食べること」の異常を特徴とする心の病気です。

大きく2種類に分類されます。
・食事制限とやせを示す「神経性食欲不振症」(拒食症
・むちゃ喰いと体重増加を防ぐための代償行動を繰り返す「神経性過食症」(過食症

日本で病院を受診している摂食障害の患者数は1年間に21万人と言われています。
治療を受けたことがない人や治療を中断している人も多いため、本当の患者数をもっと多いとされています。

拒食症
・10~19才に多い
・40才以上はまれ
・90%が女性
・ダイエットや胃腸症状・食欲不振をきっかけに発症
・発症前に心理的社会的ストレスを経験していることが多い

過食症
・20-29才に多い
・90%が女性
・多くは発症前にダイエットを経験し、拒食症から移行することもある

摂食障害にかかると社会生活に深刻な影響が出ます。
痩せすぎ、栄養不足、嘔吐などによって、体の合併症を起こし、命の危険がある場合もあります。
別の精神疾患をともなうこともあります。

摂食障害の影響が大きく長くならないうちに、できるだけ早く治療を受けることが大切です。
心と体の両面から治療が必要になります。

摂食障害の症状

「考え方の異常」と「食べ方の異常」の症状が現れます。

「考え方の異常」
・肥満への恐怖心がある
・やせることへの強いこだわりがある
・やせているのに太っていると感じる
・やせていなければ自分に価値はないと考える
・おなかやふとももなどの一部分のみを見て、太っていると判断する
・食べ物のことが頭から離れない
・病気であることに気づかない・気づこうとしない

「食べ方の異常」
拒食症
・食事の量や回数を制限し、太りやすい食物を避ける
過食症
・一定の時間内に明らかに多量を食べて止められない(むちゃ喰い)
・体重増加を防ぐため、嘔吐、下剤・利尿剤などの代償行動を行う

関連記事:摂食障害による体に症状

摂食障害の原因

摂食障害の発症の原因については、多くの研究が進められています。
しかし、明らかな原因は今のところ不明です。
ダイエットはきっかけにすぎません。
いろんな要因が複雑に絡み合って摂食障害という病気を発症すると考えられています。

要因
・心理的要因(性格、考え方)
・社会的要因(痩せを美化する風潮、ストレス親子関係
・生物学的要因(遺伝的要素、の異常)

摂食障害は、真面目な性格完璧主義の人が多いという特徴があります。
また、脳の反応の仕方(先天的、遺伝的な要素)が関わっていることも分かってきました。

家族が摂食障害の原因であるという説が広まったことがありますが、これは誤解です。
家族が原因であるという科学的根拠はありません。
一方、家族の適切な支援が回復に効果的という数多くの報告があります。

~過食の原因~
過食は意志が弱いから起こるわけではありません。
過食は人が変わったよう衝動的に起こり、自分も周囲の人も止めることができません。
食べている間だけ嫌なことを忘れられる解放感のような感覚があります。
過食をするのは砂糖や脂肪が多い高カロリー食品であることがほとんどです。
高カロリー食品を食べると脳が快感を感じることが科学的に分かっています。
過食は脳の異常によって起きていると考えることができるのです。

診断基準

摂食障害の診断基準は以下の通りです。

拒食症の診断基準

  • 標準体重の80%以下の体重(※1)
  • BMIが17.5以下(※2)

※1 標準体重とは?
標準体重とはBMIが22になるときの体重で最も病気になりにくい状態とされています。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228732
身長と体重を入力して計算すると標準体重(適正体重)とBMIが分かります。

※2 BMIとは?
肥満や低体重(やせ)の判定に用いる指標
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗](身長はcmではなくm)

【日本の基準】
・18.5未満が「低体重(やせ)」
・18.5以上25未満が「普通体重」
・25以上が「肥満」

過食症の診断基準

むちゃ喰いと代償行動の頻度が少なくとも3ヶ月間にわたり週1回以上
(代償行動とは嘔吐・下剤・利尿剤の使用など太ることに抵抗する行動のことです)

Q.どこからが摂食障害?

  • 常に食べ物のことを考えている
  • 「食べること」と「痩せる」ことが生活の中心になっている
  • 「食べること」が原因で仕事・勉学・日常生活に支障が出ている
  • 体重、体型へのこだわりが大きく、頭の中のほとんどを占めている

Q.ダイエットと拒食症の違いは?

  • 太ることに対して異常な恐怖心がある
  • 標準体重より痩せていても「自分は太っている」と思う

Q.食べ過ぎと過食症の違いは?

  • 食べるのを止められない、コントロールできない
  • 短時間に大量の食べ物を食べつくす
  • 食べ過ぎたあとに嘔吐したり、下剤利尿剤を使ったりする

セルフチェックリスト

「摂食障害かもしれない」と思ったら、セルフチェックをしてみましょう。
あせって自己判断は禁物です。
まずは自分の状態を確認してみましょう。

厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修
女性の健康推進室 ヘルスケアラボWEBサイト
https://w-health.jp/self_check/self_check_15/

セルフチェックをして、やっぱり摂食障害かもしれないと思ったら、早めに病院の診察を受けましょう。

病院の探し方

摂食障害を診てもらえる病院は、内科精神科心療内科です。

ただし、摂食障害に詳しい病院は少ないです。

お家の近くの病院へ行って、必要に応じて専門医を紹介してもらうことはできますが、最初から専門の病院に行きたい場合は、病院のホームページで確認するか、電話で問い合わせてから受診しましょう。

お住まいの地域の精神保健福祉センター保健所などで受診先を案内してくれる相談窓口がある場合があります。

精神保健福祉センター一覧
https://www.zmhwc.jp/centerlist.html

摂食障害の概要まとめ

・摂食障害とは「食べること」がうまくできなくなる心の病気
・「考え方の異常」と「食べ方の異常」の症状が出る
・極端なやせ願望と肥満への恐怖心がある
拒食症は食事の量や回数を制限し、太りやすい食物を避ける
過食症は一定の時間内に明らかに多量を食べて止められない
・体重増加を防ぐため、嘔吐下剤利尿剤などの代償行動を行うこともある
・原因は性格、ストレス、親子関係、脳の異常などが複雑に関係している
拒食症標準体重の85%以下の体重、BMIが17.5以下
過食症過食や嘔吐が少なくとも3ヶ月間にわたり週2回以上

さいごに:摂食障害は早く治療すれば治る病気

・摂食障害は意志の弱さのせいではない
・治療のためには思い込みを自覚し考え方を変えようと思うことが必要
治療が必要な病気で、治療すれば治る病気
・1年~数年で治る人もいれば、十数年かかる人もいる
早く治療を開始できたほうが回復が早い
摂食障害だと分かった時点ですぐ治療を開始することが望ましい

関連記事:【摂食障害の治療Q&A】自力で治せる?病院に行くべき?治療費はいくら?治るまでの期間は?

参考
・拒食症と過食症 講談社 切池信夫
・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-005.html
・厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_eat.html
・京都府精神保健福祉総合センター
 https://www.pref.kyoto.jp/health/health/health05_b.html

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